出席番号1番
【利用1】(視線なし)
「瑛斗、何か落ちた」
「え?・・・・あ!」
「・・・・・・・英語17点」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「瑛斗」
「はい」
「何これ」
「この前の中間のやつです」
「そうじゃなくて点数」
「そ、それな!NO勉だったんだよ!授業も聞いてねえから、むしろ17点も取れたことの方が奇跡でさー」
「・・・・・・・ふうん」
「・・・ごめんなさい」
「授業をちゃんと聞く。猿でもできそうな事を何で人間のあんたが出来ないのよ。あんた、プライドないの?」
「これからはちゃんと聞きます。勉強します。ごめんなさい」
「お、何だ?相藤、今日は真面目じゃないか」
「先生。俺、心入れ替えたんで。これからは真面目に授業聞いてちゃんと勉強します」
「ははは、いつまで続くか見ものだな」
この日から1週間、人気者の瑛斗の影響をみんなが受けていつも騒がしい体力馬鹿クラスの授業は静かだったそうな。
・・・1週間だけ。
「あの体力馬鹿たち1週間も続けたか」
「そうですね。それにしてもすごいですね武川先生。教育委員会が偵察にくる時、よりよい印象を受けて頂く為に体力クラスを真面目にさせるなんて」
「いや、相藤に協力してもらったんですよ」
「相藤?といいますと」
「ああ、鬼才の方ですよ」
「なるほど。考えましたね」
「ええ。おかげで委員会の方にもお褒めの言葉を頂いたし鬼才相藤にも感謝しなくてはですね」
「鬼才には本当に助けられますね」
「ええ、彼女のおかげで学校の評判も随分いい」
進路担当2人の笑い声が職員室に響いた。