ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
慌てて真水で両手を洗ったけれど、恐らくひどい手荒れになるだろうなと思った。
それよりも、パーサーに褒められたことの方がずっと重要だった。
「早く部屋に戻って、シャワーを浴びて着替えてくること。
また午前の休憩がなくなったようだが、このまま勤務しても大丈夫か?」
「はい、平気です」
そう言ってパーサーの顔を見たら。
気遣うような視線の先は、私の指先だった。
「……午後からの勤務は、カウンターに変更だ。
そのままレストランで皿を持つと、血まみれになる」
「え?」
パーサーがソファから立ち上がって、こっちへ来る。
つい、両手を背中側に隠したけれど、遅かった。