ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「そう……だったんですか」


「そうだ。

もちろん、これから先はやってはいけないと、立場上指導させてもらう。

だけど、君の持っている根性とサービス精神は間違えてはいない。

お客様に不快な想いをさせたくない一心で、後先考えないで行動してしまったんだろう?

世間知らずのお嬢さんっていうだけではなかったんだな」


口調はあくまでもパーサーのまま。

でも、その笑顔はあの夜の「コウさん」に戻っている気がした。

思いっきり叱られたけれど、それは当たり前のこと。

でも、その後のフォローは優しかったから。

嬉しくてじーんとした、と同時に、両手もじーんとしてきたのを思い出した。


「あ……」


洗面器から両手を出すと、指先と関節に痛みを感じた。


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