ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

お客様に対してはにこやかに答えているけれど。

その言い方。

まるで、私とパーサーが同じ社員寮に住んでいるかのように聞こえますが?


「いえ、何でもないです。

ただ、可愛い新人さんだと思って、声をかけていただけですよ。

それじゃあ岩谷さん、お仕事頑張って」


あっさりと、いなくなってしまった……。



後には、営業スマイルが消えたパーサーがひとり。


「……隙がありすぎる。

あまり笑顔を振りまきすぎると、お客様が勘違いする。

それと、ストッキングはどうした?」


「あ、あの、穿こうとしたら、伝線しちゃって……」


売店から、パーサーがストッキングを持って来て、自分でレジを打った。

そして。


「頼むから、穿きなさい。

……落ち着いて仕事できないだろう」

< 123 / 332 >

この作品をシェア

pagetop