ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「海の上は、警察がいない。

防犯カメラも、通路にはあっても客室内には当然ない。

何かが起こっても、よほどのことでないと到着予定地以外は、寄港できない。

命に係わるような時を除いて、ヘリポートも使えない。


つまり、最低限、自分の身は自分で守る以外ないと思いなさい」


「はい」


「そうなってしまう前に、自己防衛できることはするように。

そのために、私がいるのだから」


それで、自分を頼れって言ったんだ……。


「今度から、気を付けます」


そう答えたら、また、笑ってくれた。

『パーサー』は怖いけれど、本当は気さくで優しい『コウさん』なんだよね?


「ところで、今日の休憩時間だが……」


「下船しません」


すかさず答えたら。


「それなら、岩谷の好きなことをさせてやるから、後で私の部屋に来なさい」

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