ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「何がダメなのか、よくわからないが」


耳に心地よい、落ち着いた声。

……知ってるくせに、ズルいよ。


「私の夢は、この会社では叶わない、ということじゃないんですか?」


「そんな事は、言っていない。

ただ、ちょっと回り道になるだろうな」


「……不可能です。

道が閉ざされています。

船の上では、調律の勉強はできません!」



しまった。

つい、責めるような口調になってしまい、はっとした。

『パーサー』には、何の罪科(つみとが)もないのに。

これじゃあ、八つ当たりにしか聞こえない。


「……知っている。

だから『回り道』だと言っているんだが。

すまないが、これ以上はまだ話せない。

どうなるかは、君次第、ということだけは覚えておくといい」

< 144 / 332 >

この作品をシェア

pagetop