ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
「何がダメなのか、よくわからないが」
耳に心地よい、落ち着いた声。
……知ってるくせに、ズルいよ。
「私の夢は、この会社では叶わない、ということじゃないんですか?」
「そんな事は、言っていない。
ただ、ちょっと回り道になるだろうな」
「……不可能です。
道が閉ざされています。
船の上では、調律の勉強はできません!」
しまった。
つい、責めるような口調になってしまい、はっとした。
『パーサー』には、何の罪科(つみとが)もないのに。
これじゃあ、八つ当たりにしか聞こえない。
「……知っている。
だから『回り道』だと言っているんだが。
すまないが、これ以上はまだ話せない。
どうなるかは、君次第、ということだけは覚えておくといい」