ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

もっとゆっくりで良かったのに、なんて内心思いながらも、またまた適度に笑ってお出迎え。


「工藤様、ご乗船ありがとうございます」


それからすぐまた膝を曲げて。


「乗り物酔いのお薬、飲んだのかな?」


小さなお客様の対応で忙しい様子を解ってもらおうとアピール。


「おくすり、のんでないよ」


やった、この場を離れる口実ができた!


「それじゃあ、ママにお薬飲んでもいいか聞いてみようね」


「うん! あのね、こっちだよ」


小さな手が、私の手を掴んで引っ張った。

作戦、成功!


ちらりと後ろを向くと、工藤さんが渋い顔をしていた。

一応、軽く会釈をしてから、小さなお客様と一緒にその場を離れる。


やれやれ。

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