ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
十勝港を出た船は、夜になってから津軽海峡を渡る。
この航路では、一番揺れるのがこの海域なので、お客様が眠っている間に渡ってしまうのはいいことだと思う。
今日の仕事がようやく終わった。
カウンターでの仕事は、少しずつ慣れてきた。
私がカウンターにいる間、工藤さんは2回、現れた。
どちらの時も、ほとんど絡まれなかったのは、後ろでパーサーが怖い顔をしていたから、かも知れない。
とにかく、ほっとした。
くたくたになった身体を無理やり動かして、何とかAデッキまで階段を昇った。
Aデッキの隅にある『関係者以外立ち入り禁止』のドアを開けて、乗務員の居住スペースに入ろうとした瞬間。
「待ってたよ。
今日の仕事、これで終わりだよね?」
「えっ!?」
後ろから、突然声をかけられてびっくりした。
工藤さんが、私の後をつけてきたらしかった。