ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

頭の中でツッコんでいたら、パーサーがまたこっちをくるりと振り向いた。


「俺、部下の恋路を邪魔してたか?」


ちょ、ちょっといきなりこっちに話を振らないでください!

しかもそんな返答に困るような事を!

でも、ここでちゃんと答えなきゃ、助けてもらえないだろうし……。


「いえ、恋路は全く邪魔されていません」


「だよな。それ聞いて、安心した」


また、にっこり微笑まれて、どきどきした。

いや、このどきどきは、パーサーの笑顔によるものだけじゃなくて、その先に見える鬼の形相とも深い関連があるんだけれど。


「……という訳で、岩谷は迷惑しております。

どうか、ここはお引き取りください」


さっきよりさらに厳しい口調で、工藤さんに迫るパーサー。

パーサーの影に隠れるように工藤さんを見てみると、興奮して今にも掴みかかろうとするしぐさが眼に入った。


「嫌だって言ったら?」

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