ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
「岩谷さんも、このおっかない彼氏と仲良くな。
……こういうタイプって、2人きりの時は甘えん坊だったりしないか?」
「し、知りませんっ!」
「へ~、照れてる。可愛い」
本当に知らないんですってば。
からかわれて困っている私の顔を見て、パーサーがひとこと。
「これから、じっくり知ることになります」
「ま~た~、上司さん、さっき休ませてやれって、俺に言ったばかりでしょ」
「もちろん、陸に上がってからの話ですよ。
……そうだよな、裕香ちゃん」
その、意味深な微笑みは何ですか……。
もう、演技なのか、素のコウさんに戻っているのか、私には判別がつきません。
Aデッキのエレベーターホールで、微妙なムードのまま、工藤さんをお見送りした。
まずは、助けてもらったお礼を言わなくちゃ。
「あの、パーサー、ありがとうございました」
「気にするな。……一部、気にして欲しいこともあるが」
「何ですか?」
「答えは、陸に上がってから、な」