ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

もう『パーサー』に戻ってしまった。

2人とも、無言のまま狭い通路を歩く。


パーサーの部屋の前についた。


「おやすみなさい」


お辞儀をして、頭を上げたら。


「おやすみ。

あと1航海、隙を見せずに頑張れ。

それが終われば、2航海分の休みがもらえる。

……休暇、楽しみだな」


また『コウさん』の笑顔になったまま、部屋の中へ入っていく。

その後ろ姿を見送ってから、私は通路の奥にある、自分の部屋へ向かった。


今の何気ない言葉だけで、頬がかぁっと熱くなるのを感じた。


どうして、こんなに期待させるような事をさらっと言うんだろう。

パーサーも、私と休暇中に会えるのを楽しみにしてるって受け止めてもいいんですか?


……単なる、上司と部下なのに。


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