ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

私が話している間は、真剣にこちらを見つめている。

でも、少しでも間が開いたり、私が食べている時は、目線は全く違うところを見ていた。


レストラン内をくまなく見て、あちこちに散らばっているウエイターとウエイトレスの観察をしているようだった。


だからここで食べたかったのかな?

船も朝食は大抵バイキングだって聞いたから。

陸に上がったら上司じゃない、なんて言ってたのに、結局そういうところがパーサーのまま。

もしかしたら、無意識のうちにそうしているのかも知れないけれど。


「裕香ちゃん、苺のスイーツフェアだってさ。

俺が取ってくるから、いいこで待ってろよ」


「ありがとうございます」


スイーツコーナーへ行き、プレートを2枚持ちながら次々と選んでいく。

その立ち居振る舞いはやっぱり綺麗で、一目で他の人との違いが判る。


もし、私があの場所で同じような動作をしても、まるで違って見えるだろう。


「はい、お待たせ。たっぷり持ってきたけど、この位別腹に入るか?」


「入りますよ。甘いもの、大好きなんです」


「良かった。じゃあ、がっつり食べるぞ!」

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