ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「でも、空き巣と鉢合わせしなかったのは、不幸中の幸いだったね」


作業が終わった鍵屋さんに、慰められた。


「お巡りさんにも言われました。

盗まれたものは保険で何とかなりますし、落ち着いたら引っ越そうと思っているんです」


「悪いことは言わないから、早くそうした方がいいよ。

引っ越し先のあてはあるのかい?」


「大丈夫です。うちで一緒に暮らしてますから」


私と鍵屋さんの会話に、突然コウさんが割って入ってきた。

わわわっ! 何ていう事を!

赤くなる私に対して鍵屋さんはさらっと言った。


「彼氏と一緒の方が安心だし、家賃もかからなくていいじゃないの。

仲良く暮らすんだよ」


気のいいおじさんは、よっこらしょと腰を上げて行ってしまった……。


「さ、安心できる我が家へ帰ろうか、裕香ちゃん」



『我が家へ帰ろう』

そう言ったコウさんの顔が、とっても嬉しそうだったので、これ以上反論するのはやめた。

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