ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
お母さんと菫の結婚式の話をしながらのブランチ。
菫、綺麗だったよ、とっても幸せそうだったよってちゃんと笑って言えた。
でも……寂しいってことも喋ったら「わかるわ~」だって。
お母さんもお兄ちゃんが結婚した時、ちょっと寂しそうな顔をしていたよね。
私の好きな人は、立て続けに結婚した。
一人目は、お兄ちゃん。
小さい頃、私は本気でお兄ちゃんのお嫁さんになると決めていた。
初恋の相手がお兄ちゃんって、よくある話だと思うけど。
私の自慢のお兄ちゃんであることは、今も変わらない。
音楽に対してはものすごく厳しい人。
センスと才能がある上、努力を積み重ねていたのも知っている。
プロになれたのは、あるコンクールがきっかけ。
そのコンクールへ一緒に出たのが、お兄ちゃんのお嫁さん。
私と同い年の、やっぱり音楽的なセンスのある歌音(カノン)ちゃん。
ピアノ講師であるお母さんの教え子だった歌音ちゃんは、小さい頃から私達と仲良しだった。
歌音ちゃんなら、お兄ちゃんを幸せにしてくれると思った。
2人の音楽性は、とても良く似ていたから。
……センスのない私は、全然かなわない。
私はずっと歌音ちゃんが羨ましいと思っていた。