ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
お兄ちゃんと結婚できること。
持って生まれたセンスが、とても優れていること。
2つとも、私には絶対に手に入らないものだった。
歌音ちゃんがお兄ちゃんの事を好きだっていうのは、小さい頃から気づいていた。
気の強い私は、歌音ちゃんにだけは負けたくなかった。
だから、ピアノも人一倍練習したし、勉強だって頑張った。
でも……お兄ちゃんも歌音ちゃんが好きなんだって判ってからは、応援したつもり。
大好きなお兄ちゃんの幸せを願う私にとって、歌音ちゃんも大好きな良きライバルだから。
お兄ちゃんと歌音ちゃんは、もうすぐパパとママになる。
「おばさん」なんて絶対に呼ばせないんだから、なんて言ってるけれど、きっと私はその赤ちゃんを溺愛するんだろうな。
もしかしたら、お母さんよりも私の方が、赤ちゃんを楽しみにしているかも。
初恋の相手と結ばれることは永遠にないけれど、血の繋がりと絆も永遠に続くから。
高校にも、大学にも、お兄ちゃん程の男の人はいなかった。
お兄ちゃんや歌音ちゃんに負けないように勉強した結果、この地区トップの進学校へ入学した私。
ここで菫と松本先生に出会うんだけど、当時は松本先生なんて恋愛対象外だった。