ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

教育実習の時に色々助けてもらって、初めて意識した。

お兄ちゃんより年上で、頼りになる大人の男の人なんだって。


でも、私の2番目の恋も実らずに終了。

ホント、恋愛に関しては私って運がないと思う。

音大のピアノ科なんて、女子ばっかり。

たまに声をかけてくる男子は、私ではなくジャズピアニストのお兄ちゃんに興味がある人が多くて。

プロのピアニストなんて、そう簡単になれるものじゃないの。

ナンパする暇があったら練習しなさいよって思ってしまう私はやっぱり、お兄ちゃんの影響が強すぎたんだろうな……。

大学時代も男っ気ゼロのまま、ひたすら練習の毎日。

それでもコンクールは入賞止まりで、デビューの道は遥か彼方。

音楽をすべて諦めるのは悲しくて選んだ企業が、ジャパン郵船だった。

……一般採用になっちゃったけど、それでもなかなか入れない優良企業だもの。


私はやっぱり恋より仕事に生きるべきかも!

コウさんの言葉を思い出す。


『やってみなきゃわからないだろ』


頭の中にはコウさんの顔と、声と、それから……!?


「裕香、ぼけっとしてないで早く食べちゃいなさい」


お母さんが現実に引き戻してくれた。

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