ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ひょい、と肩に担がれた。

あの……私、丸太じゃないのですが。


「ひゃあっ! 歩けますって!」


「ダメ。逃げるから」


「逃げません!」


「お、裕香ちゃん、やる気あるね」


「何の話ですかっ!」


「解ってるくせに」


寝室のドアが開けられ、今朝まで私が占領していたベッドへ、優しく降ろされた。

オレンジ色の間接照明が、コウさんと私の姿を照らしている。

ベッドの上の私を見下ろすコウさんの表情も、優しかった。


頭の奥まで、自分の鼓動が鳴り響いてる。

背中に当たった羽毛布団が、心地よく私を包んでくれた。


さらに、コウさんの大きな体が目の前に迫ってきていて、慌てて場所を譲ろうとしたら。


「大人しく、俺のものになりなさい」


背中に腕を回されて、身動きできなくなって。

そのまま、ぎゅっと抱きしめられた。

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