ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~


私の脈拍を、速度記号に置き換えたところが、ちょっとおかしかった。

そんなところまで、私に合わせてくれようとしている。

コウさんの優しさが嬉しい。

でも、緊張をほぐそうとしてくれたとしたら……逆効果。

その手が、私の鼓動以外の全ても探ろうとしているから。


耳に柔らかい息を感じて、くすぐったさに身をよじる。


「もしかしたら、クリスマスのキスが初めてだった?」


きっとコウさんはわざとだ。

その声と吐息が、ますます私を戸惑わせる。


「多分、初めてです」


「多分?」


今までの優しい声が、一瞬にして変わった。


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