ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「……妙子先生も、沢山そういう子どもを見てきたんですね」


あの優しそうな先生も、いろんな想いを抱えながら、20年以上仕事をされたということ……。

どんな仕事も楽じゃない。

でも、こんなに切ない出会いと別れを繰り返す仕事もあるなんて。


「もっと哀しい子どもを、妙子先生は見てる。

俺より5つ年下の女の子がいたんだけどさ、彼女も高校を卒業して【ちしま学園】を巣立った。

ところが今、彼女の息子が【ちしま学園】にいるよ。

シングルマザーで頑張っていたんだけど、彼氏ができて、あとはご想像の通り。

親子2代、児童養護施設で暮らすことになるなんてな……。

いわゆる『負の連鎖』っていう奴だ。

自分だけはそうなりたくないって思っても、負の環境から抜け出すのは本当に大変だよ。

自分の家庭も、仲間の家庭もそういうのばっかりだから、ここにいる子はみんな、将来や……特に結婚とか家族に夢を持てないんだ」


「だから、みんなが祝福っていうより、心配してくれていたんですね?」


「そういう事」

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