ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
キャリーバッグを持ち上げて、部屋に入る。
8畳間ほどの広さの部屋に、ベッドが両端に2台、真ん中に置かれたチェストと机とロッカーで、少し仕切られているような感じ。
思ったよりも、いい部屋だった。
まずはキャリーバッグの中から、支給されたばかりの制服を取り出して、ハンガーにかける。
それから次々と荷物の整理。
そうこうしている間に、まどかが来た。
「あれ? もう来てたんだ!」
「うん。少し早く着いちゃったの」
「ここまで案内してくれた人、えらいおっかなかったんだけど、裕香も同じ人に案内された?」
おっかない人……コウさんのここでの姿は、誰に対してもそうなのかな。
「……多分。黒田さんっていうチーフパーサーだよね?」
「そうそう! その人!」
前途多難って感じに、ため息が出た。