花嫁と咎人
Chapter.3

憂鬱と目覚め


  ◆ ◇ ◆ 


―痛い。

切れた口の端を手で拭いながら、オーウェンは廊下を歩いていた。

何故、こんな状況になっているのか。
そう、それはあの忌々しい父親に殴られたからだ。


事の始まりは数十分前。


「貴様という奴はなんと言う事を…ッ!」


思い切りオーウェンの胸倉を掴むラザレス。


「何がいけないんですか?あの女に女王陛下の居場所を吐かせろと言ったのは父上です。…それに、その為なら手段はいとわないと許可も頂きましたが。」


大層ご立腹のようだ。
まぁ、無理も無い。
あの牢で自分は―…


「だからと言って、何故憲兵を16人も殺す必要があった…!一体何を考えている、お前は…本当に…」


そう、全員胴体バラバラにして16人も殺したのだ。
…仕方が無い。
あの女が言わなかったのだから。


「悪魔のようだ、とでも言いたいのですか父上。」


でも、あんたの方がとっぽど悪魔のようだ。
自分は知っている。
あんたがどれだけの罪を犯してきたのかを。


「お言葉ですが父上。僕を悪魔のようにしたのは貴方だ。…僕は忘れない。貴方が僕の目の前で母を…妹を……。」


そう…この家に女は要らないと、切り捨てるあんたの姿を。


「悪魔は貴方の方だ。」


その刹那、頬に衝撃が走り…気がついたら僕は床に転がっていた。
頭を足で踏みつけられ、地に這い蹲る。



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