猫と犬はどちらがツンデレ?【MENS企画】

 俺って実は暗記が得意なんだ。

 ってそうじゃなく。

「んぶはっ! 殺す気かコノヤロウ!!」

「んへ?」

 つまりは、だ。

 起き上がろうとしたその瞬間、寝ぼけ野郎はこともあろう俺の頭を抱きかかえやがったのだ。

「“はんぺん”で窒息死なんざ末代までの恥だろが!」

 自分でもよくわからないキレ方をしつつ、不足した空気を吐き出した分と合わせて必死に吸い込む俺。

 みろ。

 おかげで心臓が痛いくらいに動悸が激しいったらない。

「なぁに? ごはん~?」

 にもかかわらず、返ってきたのはこんなセリフ。

「よしわかった。とりあえず正座しろ」

「は?」

「いいから正座!」

「なんでわたしが――」

「い・い・か・ら・正座!!」

「そ、そんな怒鳴らないでよ寝起きに。わかったわよぅ……」

 渋々といわれるがままに正座する小娘。

 おお、存外素直に従ったな。

 なるほど、今度から文句いうときは寝起きを狙うか。

 なかなかないシチュエーションではあるけれども。

「あ、ちょっとまて」

「なによ、今度は」

「そのまま正座したんじゃ足に“あと”がつくだろ。座布団出してやるから」

「はあ。どうも」

 ふ。

 これは後で反撃の糸口を与えないためだ。

 断じてやさしさなどではない。

 違うんだからな。

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