蜜蜂
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「…はは」


どんな時でも俺の中は彼女でいっぱいなんだと実感したら、なんだか笑えてきた。


「はは、は…」


虚しくなって、やめた。
下を向いて、行き場をなくした想いをなんとか静めようとした。









「……千明…?」








下を向いたまま固まった。
呼ばれた…?
幻聴とかじゃ…ないよな?

ゆっくり頭を上げる。
期待で胸が詰まりそうになった。





視界に映ったのは、求めてやまない蜂蜜色。



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