恋人以上、恋人未満。
酒井さんの会社を後にしたあたしとお父さん。
「翔太って人...すごいの?」
「あぁ。二宮さんの一人息子。すっごく仕事ができるんだ。パパの会社の一番大切な取引社だよ」
「ふーん。」
ってことは、お父さんの会社と翔太の会社は契約してるんだ。
翔太が新しい機械とかなんとか言ってたのもこれ...だよね。
「翔太君にはほんとにお世話になってるよ。確か理沙と歳が同じだったかな...今度会わせてあげるよ。かっこいいぞぉぉ」
なんだかうれしそうなお父さんを横目にあたしは翔太の体調のことばかり気にしてた。
今日帰ったら勝田の部屋行ってみよ...
「じゃここで。」
寮の前まで大きな車で送ってくれたお父さん。
「お嬢様、いってらっしゃいませ」
運転手さんがドアを開け、深く頭を下げた。
「あ...え...い、行ってきます」
こんな扱いなれないよぉぉ...
いつかなれるのかな。
てかお金持ちってみんなこんな生活なの?
自転車とか乗れなさそう....