瞳の中には君が居て



学校について、下駄箱へ向かう。
下駄箱をあけると手紙が入っていた。

「………何だこれ……?」

あたしは手紙をとって、カバンのなかにほうり込んだ。

スリッパをはいて、教室へいそぐ。



「心ちゃん!」
「…………めぐこ。」
「先生でしょう!」

クスクス笑いながら近付くめぐこ。

「ギリギリよ?」
「……わかってるよ…」
「あは、そうよね。じゃ入って。」

教室の扉を開けてめぐこは中へ入っていった。


ホームルームの間、あたしは手紙の存在を思い出した。
カバンから出してゆっくりと封をきっていく。


「…………………」


書かれた文字を目で追う。

一生懸命書いた手紙。


『拝啓 空星心さま
 突然の手紙ごめん。
 オレは三年三組の今井祐輔っていうんだ
 今日ははなしがあって手紙書かせてもらってる。
 オレは貴方が好きです。
 貴方は優しい。
 そして綺麗だ。
 もしよかったら
 今日の放課後、一緒に帰ろう。
 はなしはまたそんときにでも。
 じゃあまた手紙書きます。
              今井祐輔』




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