瞳の中には君が居て



「………何で……?」
「……………ともだちになってくれたから♪」


また竜心は笑った。

「空星さん、手だしてみて?」

あたしは言われるがままに右手を差し出す。

「……はいっ」

ころんとてのひらにおかれた、飴玉。
それは甘い甘いいちごだった。

「…………いちご……」
「すき?」
「…すき…でも……」
「ん?」
「……レモンもすき…」

甘いいちご味を食べる前に思い出したのは穂積ゆきがくれた、すっぱいレモンの味だった。


「……ありがとう……」
「……え?」
「……竜心……ありがとう…」

「…………………!」

「あたし…移動だから…行かなきゃ……ありがとね。」


あたしは化学の教科書とノートを取りに自分の席へと戻った。
扉を見ると、竜心がまだ立っていた。


「……竜心………?」
「え…っ…あ…っ…!」

竜心はすこし赤くなったあと、はにかみながら言った。

「…携番…教えて…?」
「………え…っ……」

あたしは無意識に携帯を取り出していた。


竜心と赤外線をして、化学室へむかった。




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