瞳の中には君が居て
ガラガラ…
「遅いわよ!」
「……………」
あたしは黙ってテーブルのいすに座った。
「………………」
尚も無言のままだったあたしをみた化学の担当教師は、嫌みったらしく言った。
「まあっ!何てこでしょう!みなさんこんなふうにはならないように!」
厚化粧をした化学の担当教師は勝ち誇ったようにあたしをみた。
「…………うるさい。」
あたしが黙っていると、穂積ゆきが立ち上がって言った。
「………………!」
「……穂積…く…!」
化学の担当教師は信じられないといった顔で、穂積ゆきの顔をみつめた。
「……………………」
あたしは黙って穂積ゆきの背中をみつめた。
「……………穂積……」
「……………!!」
あたしが名前を呼ぶと穂積ゆきが驚いたように振り返ってあたしをみた。