雪のサクラ
会いたい。会いたい。会いたい。
走るたびに白い息が漏れて
より一層ソラに会いたい気持ちが高まってゆく。
歩いて5分の距離にあるバス停には夜の9時だというのにサラリーマンのおじさんの列。
人混みが苦手な私にはつらい時間。
けど仕方ない。
これも愛する彼氏のためだ。
寒さとおじさんの群れに耐えながら、自分的には1時間待った気もするけれど実際は5分待って。
のろのろとバスがやってきたのを確認してバスに足を踏み入れた。
*
プシュー
暗い夜道に響くドアの開く音。
その音が6回なった時にバスを降りた。
…寒い。
しまった。会いに行くことしか頭になくてかなり薄着で来てしまった。
最悪だ。
自分がバカってことを自分でも分かってたけどここまでバカだとは思わなかった。