雪のサクラ



でも、とりあえずソラに電話しよう。

突然切っちゃったからびっくりしてるだろうし。



もう電話番号を覚えてる。
ついでにソラの顔はいつでも覚えてる。


馴れた手つきで番号をゆっくり押していく。


寒さのせいで手がうまく動かない。

くっそ。だから冬はあんまり好きじゃないんだ。


傘を持ってくるのも忘れたから、頭や肩に雪が積もってきたし。

しまいには目に入ってきてかなりムカつくんだクソバカ野郎!


これが人だったら殴り飛ばしてるとこだったし。

って人は私の目に入れないけどさ。


携帯を右耳に当て通話ボタンを押す。


「もしも『もしもしッ?!』

ワンコールで繋がった電話はソラの怒鳴り声にも近いような大きな声で私の声は遮られた。


携帯を落としそうになったし、おまけに鼓膜が破れたかと思った。



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