雪のサクラ



『お前今どこにいるんだよ!』

「バス停だよ?ソラに会いに行くために」

『やっぱり…今すぐそこ行くから待ってろッ!』


今度は私が電話を切られた。

まったく。一方的に着られると気分も悪いな。

せっかく寒い中可愛い可愛い彼女がやってきたというのに。

それにしてもまず態度が悪いな。

もうちょっと優しい口調で話せないのかな。





なんてブツブツ文句を漏らしていたら、すぐに背後に人影ができた。


「ソラッ!」

振り向いたらソラがいて。
そのまま抱きしめ合って。
ちゃっかり長いキスをしちゃって。



「お前、何してんのか分かってんのか…!」

なーんて。

私の妄想はソラの怒鳴り声の登場であっけなく崩れた。


振り向いたらそこにはやっぱりソラがいて。

膝に手をつき肩を上下に揺らして息を切らしながらを鋭い目つきでこちらを睨みつけた。


怒ってる。

いくらバカな私でも理解するのには一目瞭然で分かった。


< 9 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop