特別機関『GQ』!!
化学者

次のフロアに着いた第一印象は


「暗い…」

だった。


薄暗い中、奥の方からカチャカチャという音が聞こえてきた。


「案外早かったな」


男の声だ。

「ま、カーサは幹部で一番弱いからな。」


そう言って振り返った男は般若の仮面を着けていた。

「さぁ、誰が俺とやりあう?」


「……あなたの能力は?」

心が静かに聞く。

「はっ!!能力なんざ無ぇよ。」

般若の仮面をゆっくり外した。


「……あの人、心で思ってることと言ってることが完全に同じ。

嘘はついてないみたい。

私はあの人と戦えない。思ってることと言ってることが同じなら、私の能力は役にたたないわ。」


「そっか…。」

小声で話していると

「俺には能力なんか無い。あるのは才能だ。

…化学のな。」



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