氷の壁 -あなたとの距離- 【中編】

side 天音


「よう、天音」



下校中、誰かに声をかけられた。


―声を聞くだけでも、未だに体の震えが止まらない・・・。




「セイジ、お、にい、ちゃ・・・」




5年前と同じ、あの不敵な笑みで・・・。





身体を押さえる。



嫌だ。 震えが。 



誰か、止めて・・・!


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