王子様はご主人様!?


そして男たちに視線を一瞬だけ向けた


『うわっ。手なんて繋いでるしっ!』

『やっぱり俺らじゃ敵わなそうだな―』



そうだ。こいつは俺のモノなわけ。


だからお前らが近づいていいわけないだろ?



「――…る、輝っ!!」


「えっ?」



「入らないの?」



目の前には生徒会室のドア


あぁ―、いつの間にか着いてたのか……


周りの男たちを威嚇するのに必死で、気づかなかった


ドアを開け、中に視線を移した瞬間、まさかの人物に言葉が詰まった


「……なんでお前が?」


椅子に座ったまま俺たちに視線を移す……沢田



「久しぶり……花梨。」


……え


「えっ?」



俺の横に居る花梨が、不思議そうに声を漏らした


「花梨、忘れたのかよ。」


花梨って……


「わ、忘れたって……?」


意味がわからないように花梨が聞き返す


知り合い、なのか…?



「昔はあんなに彰ちゃん、彰ちゃん言ってたのに。」


「……えっ!?あの彰ちゃん!?」


彰ちゃんだと!?



なんだよ、その馴れ馴れしい言い方!



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