王子様はご主人様!?


「うん。大丈夫だよ。心配かけてごめんね。」


唯のこの優しさは大好き。


あたしのことを本当に大事にしてくれてるのが分かるから……


「で?こちらの人は?」



「あっ……」


彰ちゃんを見ながら唯が頭を傾げる


そっか。唯は彰ちゃんを知らないんだ……


「あのね、こちらは……」


「花梨。俺、教室戻るから」

「えっ!?」



あたしの言葉を遮った彰ちゃんは、そのまま教室に戻っていってしまった。


「ねぇ―…、花梨。もしかして今まであの人と一緒に居たの?」


「え?あっ、うん。彰ちゃんって言って、あたしの幼なじみなんだ。」



「そう……。ってか、輝くんのこと!!」



あたしの肩をガシッと掴んで、視線を合わせてくる


「輝とは……ちょっと距離を置きたい……」


「は!?それって、別れたいってこと!?」


「違うっ!でも……」



「でも?」


「今は……話したくない。」


そう言ったあたしに唯は「そっか……」とだけ言って、頭を撫でてくれた



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