王子様はご主人様!?
「花梨、どうしても今井之上に会うのは嫌か?」
頭に手を置かれたまま、覗き込まれる
懐かしい優しい瞳が、あたしを見つめる
「いや…イヤだっ……」
会いたくないっ…
今は会いたくないっ!
「じゃあ俺は無理して会えなんて言わない…。話したくないなら話さなくてもいいと思う……」
彰ちゃんの体温は心地よくて、ただ頷いた
「でも花梨、これだけは覚えておけ。」
少し声色が変わった彰ちゃんを見上げる
「ずっとこのままはダメだってわかってるはずだ。いつかはちゃんと井之上と向き合え……」
「で、でも……」
「それまでは俺がソバに居るから……。」
そう言ってまた抱きしめる彰ちゃんに、あたしは何も言えないまま胸に顔を埋めた
―――――――――……
「花梨っ!大丈夫!?」
隆ちゃんと教室に戻ったとたんに、ギュ―と抱きしめてくる唯