王子様はご主人様!?


「え?でも、だからってなんで彰ちゃんも?」


うち主催のパーティーなのに。


「俺ん家と合同パーティーなんだよ。」


「合同?」


「そっ。沢田家と今度提携を結ぶから、それで一緒に親睦会を開こうってことになって……」



「そうなんだ……」


全く親の会社の経営についてはわからないあたし


沢田の家と提携とは初めて知った



沢田の家は何件もの高級レストランチェーンを経営する大手企業。


恐らく家のホテルにそのレストランを入れるってことなんだろうな―…


「あっ、ヤベッ。」


「どうしたの?」



カバンを開きながら、焦ってるような表情を見せた彰ちゃん


「親父から頼まれたパーティーの資料忘れた……。今日中に渡しとけって言われてたんだよな―…」


どうするっかな―…と言いながら頭を掻き、カバンを見ている


そんなに大事なモノなのかな……?



「おばさん、ちょっと俺、家に取りに帰ってくるは」


「えっ!?わざわざそんな大変でしょ!?」



「でも今日届けねぇと、親父がうるさそうだし……」


「そうね―…。じゃあこうしましょっ!」


ヒラメいたように、ニッコリ笑ったお母さん



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