王子様はご主人様!?


――――――――――……


「はい。それじゃ好きなモノ頼んで」


そう言って差し出されたメニュー


何故、あたしはここに?



「遠慮しないでいいから」



何故、あたしと蒼依くんが向き合って、カフェに?


「ここのケーキ美味しいんだよ♪」



何故、ケーキを勧められてるの―っ?



「俺が誘ったんだから、遠慮しないでよ」


「誘ったんじゃなくて、連れてこられたんです。」



「あははっ。そうだったかな?」


能天気な人。


あたし、こんなタイプが一番嫌い。



「じゃあまず最初に……ショートケーキを1つ、チョコケーキを2つ、チーズケーキを……」



こうなったらとことん食べてやる。


あたしを誘ったことを後悔させてやる!



注文されたものが、どんどんテーブルに置かれていく


テーブルはすぐにケーキで埋め尽くされた


「甘いモノ好きなんだね〜」


は……?


テーブルのケーキを見て、そう言った蒼依くん


普通ヒクでしょ?



だってこんなに食べようとしてるんだよ?


「ほら、どうしたの?食べよう」


「う、うん……」



本当に変な人……




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