変革

人類の淘汰
それが私の存在理由。

誰しもの心の中に私は存在している。
紳我とでも呼んでおこう。


ただ、私の存在に気付き語りかけてくる者は限りなく少ない。
雄亮は、早い段階で私とのコンタクトを求めた。
厳密には、私が彼を選んだのでは無い。
彼が、私を選んだのだ。

マズローの欲求段階の最高レベル自己開発の欲求のさらに上の紳我とのコンタクトに気付いたのである。

神の片鱗に気付いた者はその虜になる。
もっと、神に近づこうと紳我に接近する。


それは、もう中毒と言ってもいい。
私はさらなる罰を与えるのだから。


そこで真理に辿り着いた者にのみ、進化の可能性は許される。

それ以外のものは、朽ちるのみ。



おいで雄亮。


君は進化の可能性を秘めている。


人類の淘汰。それがわたしがここに存在してよい理由。
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