ビターな彼に夢中[短編]
翌日

私は智也くんのマンションの前にいた。

駅からはタクシーに乗ってきた。


智也くん…

智也くんに逢いたい…

謝りたい…


緊張で少し震える手で
智也くんの部屋の番号を押す。

しばらくして
インターホン越しに

『…はい』

智也くんの声が聞こえた。

久しぶりの声…

それだけで泣きそうになる…


『あ…の…私だけど…』

少しの沈黙


『え…?』


そりゃ驚くよね…


『あ…会いに来たの…!』

私が勇気を出していうと、
ガラスの入り口が自動で開いた


私はエレベーターに乗って
智也くんの部屋に向かった。


部屋のチャイムを押すと
中から智也くんが出てきた。


寝起きらしく
スウェット姿に髪が無造作にはねていた。


久しぶりの智也くん…

やっぱりかっこいいょ…


『…あがれば?』


大好きな低い声

智也くんは私を部屋に通してくれた。



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