秘密の彼氏
くすんだ灰色の鉄扉が開いた途端、耳を塞ぎたくなるような大音量の音楽が流れてきた。


「あっ、竜二さん!」


「竜二~!」


派手な男女数人が、竜二を見るなり笑顔で手を振ってくる。


「よお!今日は、音楽がうるさくねぇ?」


しかめっつらの竜二を見て、一人の男の子がDJブースに駆け寄った。


すると、たちまち音楽のボリュームが小さくなる。


この人の発言て、そんなにスゴイの?


改めて驚きながら、場違いな場所へ来た事を、早くも後悔した。


< 21 / 152 >

この作品をシェア

pagetop