Bye!“Mr.student”
急に流れ込んできた春独特の強い風のせいで、机の上に置きっぱなしにしてたプリント数枚が床に散らばった。



ボールペンが机の上をコロコロと転がった。



と同時に、アイツの忘れ物…卒業生全員が付けてる、ガーベラをメインとしたコサージュが床に落ちた。



瞬間、ピンクの花びらが微かに風に揺れた。



「“待たせたぶん…それ以上、待っててやる”…か。」



コサージュを横目に窓の外へと視線を戻した俺は、目の前の桜の木を見つめながらフッと笑みを零した。



さっきより弱めの心地よい風が、まだ蕾のままの桜の枝を揺らす。



その下には、周りはまだ蕾のままだというのに、やけにせっかちなタンポポが一株。



その時、ヒラヒラとどこからともなくやってきたモンシロチョウが、黄色い花弁に………とまった。

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