少数派の宴
「まさか、あたしが煙草を買う為だけにあんたを呼んだと思っちゃないだろ」
老婆はいくらかの草を買った後、そう言った。
「さぁ。耄碌してもいい年だからね」
「馬鹿にすんじゃないよ」
老婆は笑って、煙を吐き出す。
そして、<トカゲ>を顎で示した。
「連れていってくれないかい」
その言葉に、<トカゲ>は老婆を見据える。
「勝手に何言ってんだ」
「こんなちっぽけな村で、後ろ指さされながら死ぬ気かい?」
<トカゲ>は黙った。
「世界を見てきな、<トカゲ>ちゃん」
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