少数派の宴
「ちょいと<煙草屋>、せっかくの客に嫌がらせかい?全く、音だけじゃ何だか分かりゃしない」
「あんた呼ばわりする奴は商人じゃないんだろう」
放心状態だった<トカゲ>は、ぱちりとPCを閉じる音で目を覚ました。
信じられなかった。
自分と同じ異常を持つ人物が。
「<煙草屋>、今のは、ほんとうに――――」
「疑うなよ。奴は俺が知っている内で最高の再生者だ」
途切れ途切れの<トカゲ>の言葉を、<煙草屋>はすぅ、と目を細めてはね除ける。
そして口の端をくいと上げた。
「再生後で記憶もIQも変わりない。……さて<トカゲ>、手首以外を切り落とす気は?」
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