少数派の宴
*
「何だったんだ、あれ?」
<トカゲ>がふと、聞いた。
気のせいかもしれないが、後ろで妙な気配を感じたのだ。
「気味が悪ィ」
<煙草屋>は、ちらりと<トカゲ>を見る。
「ななみだ」
そしてそれだけ言った。
「……ななみ?」
<煙草屋>は答えずに、慣れた仕草で煙草に火を点ける。
「煙草は祓い香の代用品となる」
それから呟くように言うと、おもむろに携帯電話を取り出した。
先程村の者にあげた物とは違い、使い込まれている。
「淡い者を寄せ付けない」
言葉と同時に紫煙を吐き出す。
「……さっきのは」
「他人の携帯」
<煙草屋>は片手でハンドルを握り、もう片方で何やら携帯電話をいじり始めた。
.