少数派の宴

「……。理解はしてるさ」
やがて<トカゲ>が、ため息をついた。

「少なくともあの村で、僕は異常だった。迫害も当然だ」
「自虐的だな」
「その通り。だが事実だ。――それを『受け入れてくれない』と、恐怖を恨みに変えるのは違う」

言い終えると、<トカゲ>は躊躇う事なく通話ボタンを押した。

「惜しむらくは、出来損なった既成事実だ」

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