少数派の宴
「何を企んでる?」
ずしり、と携帯電話が重くなったような気がした。
「結果には原因がある」
詰問するような<トカゲ>の調子にも、<煙草屋>は淡々と。
「結果を無くすには原因を潰すのが早い」
「ど――――」
「例えば、」
どういう意味だ、と言う前に、<煙草屋>がそれを制した。
「恐怖という結果」
とたん、<トカゲ>は黙る。
通話ボタンに置いた指を、無意識の内に外した。
「再生速度を遅めているのはそれだ」
<トカゲ>はその断定に、勢いよく身を乗り出し睨む。
「恐怖で再生を遅める? 冗談。僕は止めたかったんだ」
「両手を切り落とされた奴が、再生を100%望まない方が可笑しいね」
「だから、僕はオカシイんだろ」
子供のような返答に、<煙草屋>は片眉を上げる。
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