いちごっぽいど☆


「もぅ!きょうちゃんのばかぁっ」

「いちごちゃん…可愛いなぁ…」

いちご、このゲームに出てくる女性キャラクター。

黒髪の長髪に青い目。


「あ、やべっこんな時間…」

男は立った。

「じいちゃんに線香やんないと…」

男は一人暮らし。
昔はじいちゃんと住んでいたらしいがじいちゃんは今年ポックリ逝ってしまったようだ。

「じいちゃん…安心して…俺頑張ってるから…」

手を写真の前で合わせる。

「大丈夫だってじいちゃん…俺の心の中にはいつも…」


「…いちごちゃんがいるからさ!」

写真の額が少し下がった気もするが俺は言い終えると画面に戻っていった。

「いちごちゃーん」

「…なんじゃ?」

「…じゃ?あれ?こんなしゃべり方だっけ?」

さっきと何だか違う。
画面の中でいちごが喋った。

「さっきから聞いていれば…そちの態度はいやらしすぎだ!」

「は?」

「今からそっちへ行って根性をたたきなおしてやる!」

「ちょ!この子顔怖すぎるんだけどー!?もぅいい諦める、この子の攻略やめるー!」

選択肢を見た。

・おいでよ
・俺んちこいよ
・Welcome

「選択肢が来いしかねぇ!?しかも③択目に関してはようこそだし、部屋にもぅ入れてるし!?」

いちごの怖い顔が画面を迫ってくる。

「ぎゃぁ来るなぁ!パソコン強制終了してやる…って、消えねぇ!?どうなってるんだ!?」

男は画面から離れた。

「まぁ、たかがゲーム…ほっとけば何も起こらない」

と思ったが、何だか画面が可笑しい。

画面から手がでてきた。

「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」

男は腰を抜かして動くことができなかった。


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