愛してるさえ、下手だった
どうしよう。
旭はどうなってしまうんだろう。
どう言うんだろう。
「さっさと殺すよ」
旭の唇が触れた首筋が、急速に熱を失っていく。
…そうか、そうだよね。
あたしたちは最初からそういう関係で、恋愛感情なんて持ってはいけなかった。
旭はあたしを利用するつもりで慰めてくれていただけだったんだ。
これ以上哀しい気持ちになりたくなくてその場を後にしようとすると、信じられない言葉が耳に飛び込んできた。
ガチャリと不気味な重低音。
「お前をな」
うそ、でしょ。
「俺に敵うと思うか?」
相手の方も銃を構える。
その爆発しそうな殺気に、旭の負けを悟った。
ダメ。
旭、旭、旭…っ!!
気づけば、あたしの足は勝手に地面を蹴っていた。