月光狂想曲Ⅱ‐悪魔の花嫁‐
しかし、次に訪れるであろう衝撃は訪れず、私は不思議に思ってそっと目を開けた
『…無事か?』
「あ…!!
ウァルド…。」
私はいつの間にやらウァルドに抱きしめられる形で支えられていた
「うっ…うん。
ありがとう。」
私は慌ててウァルドから離れようとすると、徐にウァルドは私の手を握った
『危なっかしいから、手、放すなよ。』
「え!?」
『それに…悪い虫がよらないように。』
そう言ってウァルドは私に手を差し延べかかった仁と、驚き、かすかに目を見張るグレネディアの方を垣間見した
「でもウァルド、まっ…街中だし。
皆いるし…それに…。」
『関係ない、異論はないよな?
いくぞ。』
私の話に耳を傾けず、ウァルドは私の手を握ったままずんずんと先に進む
私は周りの女の子たちからの黄色い悲鳴や、仁たちの視線を強く感じ、真っ赤になった頬を隠すように歩くのだった