恋の教習所
「ごめんごめん。あ、この時間二人に聞かれるのかぁって緊張しちゃってさ、せっかく分けてあった原簿混ぜちゃった。」

そういうことかぁ。

でも・・・谷川教官って緊張したりするの?



「っていうか、谷川教官って緊張とかするんですかー?」

教習生の男の子が話しかける。
私が思っていたことと同じ質問。
もう何回か授業受けているのか、話しかけることに遠慮とかはなさそうだ。

「いやするし!っていうかオレのことなんだと思ってるの?」

「おもしろい人!!」

「待て!こーんなに真面目なオレがおもしろい人か?」

二人がこんなやりとりをするもんだから、教室の空気はさらに和やかになった。

中には谷川教官を知らない人がいるかもしれない。
でも、こんな会話をしていたらなんとなく谷川教官がどんなキャラなのかわかってくるだろう。


「さぁ、真面目なオレがこの時間するのは・・・はい、教習項目2の信号に従うこと。」

まだ真面目なって言っている。


真面目な谷川教官の学科。
しっかりメモを取りながら覚えていこう。
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